しがない法学徒の司法試験/予備試験/ロースクール受験記

日々の法律の悩みに弁護士卵が答えます。あくまで卵の見解です。

自招侵害(最決平成20,5,20)

 攻撃が被害者の前暴行(挑発行為)に触発されたものである時、正当防衛は成立し得るのか。

→防衛行為者が自ら不法な相互闘争状況を招いたといえる場合は、正対不正の関係ともいうべき正当防衛を基礎づける前提を基本的に欠いた不正対不正の状況に他ならない。よって、正当防衛の成立は制限されるべきである。

 具体的には、本問のような故意による暴行が先行する事案については、侵害行為が挑発行為に触発された一連一体の事態か否かを問い、これが認められる場合に、攻撃が挑発行為の程度を大きく超えるものでなければ、防衛行為者において何らかの反撃行為に出ることが正当とされる状況にないと解すべきである。