しがない法学徒の司法試験/予備試験/ロースクール受験記

日々の法律の悩みに弁護士卵が答えます。あくまで卵の見解です。

2022-01-01から1年間の記事一覧

因果経過の錯誤

行為者が事前に予見した因果経過と現実の因果経過とが構成要件の範囲内で符合している限り、行為者は規範に直面し、反対動機を形成する機会を与えられていたといえる(故意責任の本質)。 →行為者に故意責任を問うことができる。

禁制品(覚醒剤など私人による所有・占有が禁止されている物)は財物か

禁制品もその没収には一定の手続きが必要 →法律上の手続きによらなければ没収されないという意味で事実上の所有可能。したがって、この範囲において財物性を認める。 =財産罪の客体たりうる。

名誉・信用に対する罪

230条1項が「公然」性を要件とした趣旨 =事実が不特定又は多数人に摘示された場合に、さらにその事実が他の者にも伝播され悪評が広く社会に流布される類型的危険の存在 →事実の摘示の直接の相手方が、特定小数人であっても、不特定又は多数人へと伝播しうる…

片面的共同正犯(60条)/片面的幇助犯(62条1項)

共同正犯の一部実行全部責任の根拠は、共同犯行の一帯性に求められるため、意思連絡は不可欠の要件と解すべきである。 →片面的共同正犯は認められない。 もっとも、共犯の処罰根拠は正犯を通じて間接的に法益侵害ないしその危険を惹起した点にある。したがっ…

間接幇助(62条1項)

凶器を貸与すること等によって不法行為を促進しあるいは容易にしたといえるような、間接的な形態による場合でも「幇助した」(62条1項)といえるか、その意義が問題となる。 →共犯の処罰根拠は、正犯を通じた間接的な法益侵害又はその危険の惹起に認められるか…

自招侵害(最決平成20,5,20)

攻撃が被害者の前暴行(挑発行為)に触発されたものである時、正当防衛は成立し得るのか。 →防衛行為者が自ら不法な相互闘争状況を招いたといえる場合は、正対不正の関係ともいうべき正当防衛を基礎づける前提を基本的に欠いた不正対不正の状況に他ならない。…

暴行(208)と傷害(204)

人に対する不法な有形力の行使→暴行罪(208) 人の生理的機能を害するもの→「人の身体を傷害」するものとして傷害罪の構成要件に該当(204)

故意責任の本質

故意責任の本質は犯罪事実の認識によって反対動機形成されるのに、あえて犯行に及んだ点に求められる。したがって、自己の犯罪事実を認識・認容した場合、故意責任を問うことができると解する。

「目的の範囲」民法34条

・「目的の範囲内」(34条)の意義 法人は社会的に有用な一定の目的のために権利義務の主体たる地位を認められたものであるし、また、文言上も「権利を有し、義務を負う」とされていることから、目的によって権利能力が制限されるものと解する。 ・「目的の範…